eSLEEP academicの研究が学会賞を受賞 – 起床時刻の問題が学生の欠席を招く
2018年10月20日・21日に開催された第25回日本時間生物学会学術大会にて、株式会社こどもみらいR&D統括の志村哲祥医師・医学博士の研究発表「睡眠の問題、クロノタイプ、Social Jet Lagよりも平日の起床時刻が高校生の出席不良と強く関連する」が受賞をしました。
思春期はクロノタイプ(体内時計やその表現系としての睡眠覚醒スケジュール)が生涯の中で最も夜型化する時期であり、生理的に「早寝早起き」が難しくなります。近年、世界各国で、思春期に早起きを強いることの公衆衛生上の問題が示されており、学校の始業時刻が早すぎるのではないかと問題提起されています。しかし、どのような睡眠やリズムの問題がどの程度学校の出席と関連するのかについては不明でした。
そこで、本研究では高校生を対象に、睡眠の諸問題と出席に関する調査を実施し、平日の起床時刻が、睡眠の問題とは独立して欠席率と関連することが明らかになりました。
また、調査参加者の平均睡眠時刻は6時間16分であり、大半の高校生が、自殺リスクが2.9倍に上昇するとされる8時間未満の睡眠時間を余儀なくされていることが明らかになりました。
「早起き」と欠席・遅刻・早退の少なさは関連しているものの、これ以上の早起きを促すことは睡眠時間の短縮を招き、高校生の心身の健康に有害であると考えられます。
そのため、早く起床せずとも十分な睡眠時間が取れて、無理なく登校できる始業時刻の設定を行うことが合理的である可能性が示唆されました。