コロナ自粛 よりよい睡眠をとるには
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、外出が自粛され、在宅ワークがメイン。また、小中高は休校措置、大学はオンライン授業。毎日の生活が大きく変化した人が多いのではないでしょうか? 家で過ごすことが多くなり、「よく眠れなくなった」という声を多く聞きます。実際、ロックダウン(都市封鎖)を実施したアメリカやイギリスなどにおいては不眠が問題となっているようです。外出自粛が余儀なくされるなか、よい睡眠を確保するにはどうすればよいのでしょうか?
朝に光を浴びよう
「平日も家で過ごすことが多くなり、生活リズムが乱れてしまっている」
外出が自粛される中、このような方も多いかと思いますが、生活リズムの乱れにあわせて私たちの体に備わっている「体内時計」まで乱れてしまうと、睡眠の質が低下するとともに、心身の健康にまで悪影響を及ぼしてしまいます。
では、体内時計の乱れを防ぐためにはどうすればよいのでしょうか? ポイントは「光」にあります。詳しくみていきましょう。私たちの脳からは「メラトニン」というホルモンが分泌されています。時刻合わせの手段にメラトニンを使っており、夜に分泌され、「夜がきたこと」を全身に知らせます。夜がきたことを体が認識すると、体も睡眠の準備をはじめ、脈拍・体温・血圧なども低下していきます。
このメラトニンがきちんと夜に分泌されるためには、朝・昼にしっかり光を浴びておく必要があります。そして、毎朝同じ時間に起きてカーテンをあけて光を浴びることにより体内時計が調節され、朝に自然と目が覚め、夜には自然と眠くなり、そしてぐっすりと眠れることになるのです。これは、曇りや雨の日でも、屋外の光を浴びることには、効果があります(太陽の光は非常に強く、曇っていても屋内の蛍光灯の数十倍以上の強さがあります)。
夕方以降は光の量を調整しよう
上記でみてきたように、メラトニンは体内時計を調節し自然な睡眠を導きますが、夕方以降(眠る前数時間)の光で抑制されてしまう性質があります。睡眠の質を高めるためには、夕方以降はなるべく光の量を抑えることがポイントになります。具体的には以下のことを心がけるとよいでしょう。
✓ 夕方以降は白い蛍光灯ではなく、間接照明や白熱電球のようなオレンジ色の光を使用する。
✓ 寝る前のスマホやテレビ、パソコンの使用は控える。
(どうしても使用したい人はブルーライトカットやナイトモードにしよう)
✓ 就寝時は常夜灯を消して部屋を真っ暗にする。
夕方以降のカフェインやアルコールを控えよう
外出自粛で家にこもっていると、カフェインやアルコールの量が増加してきているのではないでしょうか。遅い時間のカフェインやアルコールは睡眠の質を悪化させることが知られています。夕方以降はカフェインの入っていない飲み物を摂ることをお勧めします。例えば、ハーブティ・麦茶・デカフェなどがおすすめです。眠る直前の飲酒(寝酒)は決してしないようにしましょう。もし夕食に合わせて晩酌をする場合でも、ビール1本(350ml缶)程度のアルコール量にとどめておくのが望ましいでしょう。
寝床で仕事や勉強はしない
外出自粛によって、寝床で、仕事や勉強、スマホやゲームをすることが習慣化してしまっているという話を耳にします。私たちの脳は、場所とそこでの行為を条件付けて記憶する特徴があります。したがって、脳が無意識に「寝床=仕事や勉強する場所」と認識してしまい、寝つきが悪くなり睡眠の質が悪化するリスクがあるのです。「寝床=眠る場所」と脳に認識させるため、寝床では眠ること以外は控えましょう。
適度に体を動かそう
家に閉じこもり体を動かさないと、肉体的疲労がないので、寝つきが悪くなり、睡眠の質が悪化する可能性があります。家でできる腕立てや腹筋、スクワット、ストレッチなどの運動や、周囲との距離に配慮しつつ近所を散歩することも有効です。オンラインフィットネスなどのプログラムもリリースされているようなので、試してみてはいかがでしょうか。
外出自粛が続く中、なかなか生活リズムをつかむことが難しいかもしれません。外出自粛期間に体調を崩さないためにも、上記のことを実践して、睡眠の質を高めていきましょう。