中高生に必要な睡眠時間とは


~睡眠セミナー講師の折々話~

先日、都内の甲子園出場などで有名なスポーツ強豪校での講演に行ってきました。

高校1~2年生の皆さんに聞いて頂きましたが、最後に睡眠の量について生徒さんから質問が出ました。まだ、制服の裾が自分の手足よりも長く、入学したばかりの1年生だろうなぁと思われる男子生徒

「僕は、中学の時の保健体育の教科書に、中学生に必要な睡眠時間は6~8時間と書いてあったのを信じていました。あれは嘘ですか?」

教科書に嘘?て、ありえない?!
そう思って当然ですよね。

講演では、必要な睡眠時間について、アメリカ国立睡眠財団が発表している時間数を伝えました。
14~17歳 の理想の睡眠時間は 8~10時間。講演に参加された16~17歳に絞ると8~8.5時間。

加えて、全員が8.5時間必要ではなく個人差があること、個人差の分布、睡眠不足の判断方法、20歳以降は毎年数分ずつ必要な睡眠時間が短くなっていくのが一般的であること。
これら睡眠の基本知識を一緒に学びました。

生徒さんたちに、その場で挙手にて平日どのくらい眠っているかを聞いたところ、5~6時間しか眠っていない高校生がなんと多いことか・・・

先進国の中でこんなに眠っていないのは日本の高校生だけであるということを今日も身を持って体感してしまいました。
これは、10代の自殺の問題にも関連している大変由々しき問題です。

男子生徒の質問に
「(最新の知見からすると)間違っています」と即答すると、高校生たちは皆、苦笑。

今の日本の受験制度や学校組織の仕組みに、高校生が充分な睡眠を取ることができる構造は残念ながら見当たりません。

日本社会として取り組むべき課題であると認識しています。

それはそうと、保健体育の教科書を真面目に読んでいる子もいるんだなぁと、ほっこりした気持ちになりました。

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