「週末の寝だめ」が健康に悪影響!?


平日は仕事や学校が忙しくて睡眠不足が続き、週末に寝だめをして睡眠不足を解消している、なんて方は多いですよね。土曜の朝寝坊を楽しみに一週間がんばれるって方も中にはいらっしゃるでしょう。

その睡眠習慣、見直した方がよいかもしれません。

 

毎日の睡眠不足が借金のように積み重なっていくことを「睡眠負債」といいますが、平日の睡眠不足でたまった睡眠負債を週末の寝だめで返済できていると考えている方もいらっしゃるかと思います。しかしながら、これには大きな誤りが潜んでいます。実際、週末の寝だめで睡眠負債が帳消しになるわけではありません。そればかりか体に悪影響が及んでいるのです。

 

例えば、週末に寝だめをすると、太りやすくなりインスリン感受性が低下することが明らかになっています。インスリン感受性が低下すると、筋肉や脂肪組織の糖取り込み能も低下し、血糖値が下がりづらくなり、2型糖尿病になるリスクが高まります。これは、米コロラド大学ボルダー校の睡眠・時間生物学研究所等が行った研究で明らかになっており、当該研究は、健康な成人男女36人を以下の3つのグループに分け9泊させ、体重増加やインスリン感受性等を評価することを目的としたものです。

第1グループ:9日間ともに1日9時間寝ることが許されているグループ

第2グループ:9日間ともに1日5時間に睡眠が制限されているグループ

第3グループ:平日の5日間は5時間に制限、週末の2日間は制限なし、残りの2日間は再び5時間に制限されているグループ

結果として、第2グループおよび第3グループでは、睡眠不足により食後のエネルギー摂取量と体重が増加しました。また、第2グループでは全身インスリン感受性は13%低下し、第3グループでは全身のみならず肝臓、筋肉のインスリン感受性が9-27%もの低下を示しました。

Depner CM, et al. Curr Biol. 2019 Feb 11.

 

また、週末に寝だめをすると、生理が重くなるという研究結果があります。明治薬科大学の駒田准教授を中心とする研究チームが女子学生100名を対象に行った研究によると、休日に寝だめを1時間以上すると、月経症状が重くなる可能性があることが示唆されています。具体的には、生理の痛みが増し、むくみやすくなるというものです。

Komada Y ,et al.Chronobiol Int. 2019 Feb;36(2):258-264

 

このように、「週末の寝だめ」は健康に悪影響を及ぼす可能性があるのです。次回のコラムでは寝だめについてもう少し掘り下げて、寝だめによって生じるソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)について取り上げ、それを防止するための手立てについてお話していきたいと思います。