夜型傾向による思春期のうつ症状は、睡眠の問題を介して引き起こされることが判明


―始業時間の遅延による改善効果も―

株式会社こどもみらい(本社:東京都世田谷区)の保有するデータを元に睡眠覚醒スケジュールとうつ症状に関する調査を行った結果、夜型傾向は直接思春期のうつ症状を惹起するのではなく、睡眠の問題が媒介要因であることが明らかとなり、この内容が第115回日本精神神経学会学術総会で発表されました。

 

この調査は、2017~2018 年に全日制高校3 校(うち1 校は女子校)、通信制高校1 校の生徒に対してピッツバーグ睡眠問診票(PSQI)、睡眠覚醒スケジュール、Presenteeism Scale for Students からなる質問紙調査を実施し、1099 名が回答したデータを元に行われました。

 

調査の結果、夜型傾向は直接思春期のうつ症状を惹起するのではなく、睡眠の問題が媒介要因であることが明らかとなりました。さらに、起床時刻の遅延自体は睡眠の問題を改善させることが明らかとなり、始業時刻遅延の持つ学校におけるうつの改善効果は、睡眠の問題の改善によって生じている可能性があることがわかりました。

 

なお、思春期は生理的に睡眠覚醒リズムが夜型化して「早寝早起き」が困難となること、夜型傾向はうつ症状と関連することが知られています。また、学校の始業時刻の遅延で生徒の睡眠の改善や抑うつの改善などの効果を示した研究が多数存在します。

 

株式会社こどもみらいでは今後も、「科学的根拠のある健康経営」を支援するための活動を進め、ストレスチェック「STRESCOPE」や睡眠改善プログラム「eSLEEP」などのサービス改善に努めて参ります。

学会発表概要

第115回日本精神神経学会学術総会

発表日時:6月21日(金)

発表場所:朱鷺メッセ 4F 国際会議室前ホワイエ

発表者:志村 哲祥(東武中央病院 精神科)

演題名: 夜型傾向は直接ではなく睡眠の問題を介して学生のうつ症状を引き起こす

演題番号:2-P48-1

 

株式会社こどもみらいについて

株式会社こどもみらい( https://cfltd.co.jp/ )は、科学的根拠 に基づいた健康経営を推進するプロフェッショナルチームで す。睡眠と健康に関する研究「Sleep & Health Research」、睡眠 改善プログラム「eSLEEP」、多⾯的なストレス対策の要となる ストレスチェック「STRESCOPE」などを提供しています。 

 

STRESCOPE について

STRESCOPE( https://strescope.jp )は、株式会社こどもみらいが提供する、医学的根拠に基づいた具体的な提案によりストレス改善を目指すためのストレスチェックサービスです。厚労省所定の項目に独自の項目を加えてストレス要因を特定し、個人向けに生活習慣の観点も含めた具体的な改善提案を行うほか、集団分析により企業が取り組むべき事項を明らかにするなど、健康経営のための投資対効果にこだわり、精神科医・産業保健師を含むプロフェッショナルチームにより運営されています。

 

eSLEEPについて

 

eSLEEP( https://esleep.jp/ )は、株式会社こどもみらいが2012年から睡眠研究医主導のもと、医師・心理士・保健師を中心として提供している睡眠改善プログラムです。組織単位で睡眠と生活習慣の問題を医学的に評価・分析し、睡眠コンサルティングと個別指導による改善を通して、メンタルヘルス疾患・身体疾患の予防および生産性の向上を図ります。2015年には教育現場における出席率の向上や退学予防効果も明らかにしました。

 

本件に関するお問合せ先

株式会社こどもみらい info@strescope.jp