睡眠の問題は日本で最低でも7.5兆円の損失: 睡眠と生産性に関するこどもみらいの最新の研究が出版されました


こどもみらい・東京医科大学・慶應義塾大学からなる研究チームは、「睡眠の問題の存在が労働者生産性を統計的には少なくとも約3%押し下げる」こと、そして2人に1人は睡眠に問題を抱えるとする日本の現状からすると、「睡眠の問題は日本全体において最低でも7.5兆円の経済損失をもたらしている」ことを明らかにしました。この研究成果はアメリカ国立睡眠財団の”Sleep Health”にて発表されました。

研究の中ではさらに、「寝不足」による生産性低下は若年者ほど深刻であり、本来約8時間の睡眠時間が平均的には必要とされる20代前後の労働者では、平日の睡眠時間がそれを下回るごとに生産性の低下(プレゼンティーイズム)が生まれること、さらには全年齢的に「休日の寝溜め」はむしろ生産性を損なってしまうことなどが明らかになりました。

本成果は「どのような睡眠が社会の活力につながるのか」を示唆すると共に、日本において初めて詳細に睡眠と生産性との関連を検討した研究です。

この研究成果はSleep Healthの2020年6月号に掲載されています。

Ishibashi, Y., & Shimura, A. (2020). Association between work productivity and sleep health: A cross-sectional study in Japan. Sleep Health.